第十二章 「アラビアンナイト」

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明けがたは花もむらむらとは云はじ夜なべづくしのわが身なりけり ※「花もむらむら」:「山もとの鳥の声々あけそめて花もむらむら色ぞみえゆ く」(永福門院)から詠草。永福門院は皇后時代は中宮鏱子といって三界一の美妃だった。伏見帝の浮気癖などに悩まされた現役時代だったが出家後は心の平安を取り戻したものか、和歌の才能を如何なく発揮した。「目に見えるような」「音に聞こえるような」描写力が素晴らしい。 うたかたの消ゆべきこゑと思ふにもつゆも離れぬ憑き(付き?)もの尽くし ※うたかたの:枕詞 草枕たびかさなれる不眠の日々野宿よりけに悲惨をきはむ ※草枕:枕詞 世の中を思ひぐまなきものとすも無理からず思ふどちゐぬも 訳:この世の中を生きる甲斐のないものと思うのも無理はない。なぜなら私には友ひとりさえいないのだから。※ブッダの「良き友の為に生きることが人生の〝すべて〟である」から詠草。(思ふどち:友人) 人悪しと思ふどちらの去り行けりむべなりけりな我やもしかじ 訳:性格が悪いと云って友人らは去ってしまった。無理もない。この私自身がこんな自分からは去りたいのだから。※1日24時間1年365日、ヤー公どもに囲まれてその悪口と災禍を受け続けるならば、間違いなく性格も荒びます…。 朝霧のおほにかすむるこの頃かしののめまでも寝かねてありき ※朝霧の:枕詞。朝霧のおほにかすむる:朝霧がもっぱらかかる。しののめ:明けがた。今いるところは丹沢ふもとの団地で朝ばらは霧がよくかかります。ストーカーらに夜通し起こされるのでその霧を目にし、その睡眠妨害の災禍とそれづれの我が心の鬱屈状態を掛けているのです。 この頃に我が詠むものはことごとく付くサルばかりかうしも付けば かうしも:斯くもしつこく、斯くも長く こうなればすべてをもはや笑ふなりこんな人生があってたまるかよ! ゲラとふブラックジャックの笑い子にわれはなりたりアハハ々々々…阿呆らしゅうて この頃はクソガキ荒(す)ぶる次第かな一睡だにえすやいとわりなし
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