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幼い時から寄り添ってたあの子。
ふわふわとした柔らかい毛を纏ったあの子。抱き締めるとくりくりした目をゆっくり閉じて体を預けてくれるあの子。
寂しい時、辛い時すぐ近くに寄り添ってくれたあの子。
そんなあの子がとうとう空へ旅立つ日が来た。
寒い冬の朝、あの子は空へと1人で旅立った。1人で寂しくなかった? 1人で泣かずに行けた?
私にはそれは分からない。
泣いて泣いて泣いて中々お別れ出来なかった私はただただあの子が空で幸せな事を祈ることしか出来なかった。
ふわふわとした毛はそのままなのに体は冷たくて固くて、もうクリクリとした丸い綺麗な目を見せてくれることもなくて、抱き締めても何度名前を呼んでもいつもの様には反応してくれなくって、それが悲しくって私は何度も泣いた。
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