カンケイ
全4/8エピソード・連載中
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 カンケイ

遊園地に行った日から数日。 あれから先生と顔を合わすことはなく、まるで何もなかったかのように今まで通りの普通の日々を送っていた。 連絡先だって結局知らないまま。 でも、それでいいと思っていた。 先生に会ってから、再会してから、確実に私の何かが乱されている。 ふたりで遊園地で食事をしたあの日、遥か昔に蓋をしたはずの感情が今にも溢れ出そうになってしまった事は見て見ぬ振りをした。 気付いたら最後、もう後戻りが出来なくなると頭のどこかで危険信号が光っていた。 だからこそもう会わない方がいいと思ったし、できる事ならあれは夢だったのだと割り切って、このまま出会う前のように平和な日々を送ろうと、そう思っていた。 ……なのに。 「……」 「……き?ーー美咲!」 そんな事にハッとして、その声の方向に急いで視線を向ける。 その声の主は隣に座っている、少し眉をしかめた萌だった。 「……ごめん、何て?」 「だからー、今日の夕方の会議室の手配だってば!もうした?」 「あー…ごめん、これ終わったらすぐやる」 そう言って、私はダメだダメだと一度自分の頬を叩き再度パソコンへと向き直った。 「もう、最近どーしたの?美咲変だよ!」 「…ごめん。」 パソコンと向き合い、急いで手を進める。 最近はコピーするページを間違えたまま上司に提出してしまったり、小さなミスをする事が少し増えてしまったように思う。 ダメだ、とその度に反省をして気持ちを切り替えて仕事と向き合っているつもりなのだか、どうしてか些細なミスがどこかしらに出てきてしまう。 ……本当に、そんな自分が腹立たしかった。
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