背中に感じたぬくもり

8/13

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「違う、なぜお前がそう思うのかと聞いている」 「え?なんとなく・・・では、ダメですよね」 「ダメじゃない。捜査本部云々と言われるよりも、その方が納得できる。まぁいい。次に、彼女の両親は犯人か?」 「違います。アリバイがあります。距離的にも動機的にも違うと思います」 「そうだな。俺が、毎回同じ質問をしているのは、彼女の反応を待っているからというのもあるが、彼女の両親が何か思い出さないかと思っているからだ」 「両親?犯人じゃないですよね?」 「そうだ。さっきの話に戻るけど、俺は彼女が犯人を知っていると思っている」 「えぇそう聞きました。何度も聞いています」 「彼女たちと両親は良好な関係だったのだろう?」 「はい。近所の話でもそうなっています」 「ほらな。後は、自分で考えろ」  また、森下さんはボタンを眺めながら黙ってしまった。  こうなったら、暫くは自分の世界に入り込んでしまう。 ---  自警団の奴らの裁判が始まる。  空き巣犯。それは許されない犯罪だ。  でも、儂の目的は違う。     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加