背中に感じたぬくもり

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背中に感じたぬくもり

 背中に感じていたぬくもりがなくなってから、5年が経過していると教えられた。  冬になると実感として感じてしまう。  ついこの間までは、背中に当たる彼の背中から確かなぬくもりを感じる事ができていた。  そして、途中から加わったもう一つのぬくもりが・・・。  本当に、それだけで良かった。  私には、彼から感じるぬくもりと、彼と私が望んだぬくもりの二つがあれば十分だった。そして、新たに加わるはずだったぬくもり。ぬくもりの数だけ幸せを感じる事ができた。  たったそれだけのことだったのに、私が寒くて凍えそうなのに、なんで誰もぬくもりをくれないの?  ううん違う。私は、そう、私は、彼からのぬくもりと、私が彼から貰った宝物。ぬくもりが欲しいだけなの?  どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして。ねぇ誰か教えて。5年経ったなんて嘘だよね。明日にはぬくもりを返してくれるのよね?  私の私の私の私の私のぬくもりを返してよ!  早く、ぬくもりを返して、私が凍えてしまう前に、奪っていったぬくもりを、赤く赤く赤く赤く染まったぬくもりを返してよ!  冷たくなってしまった。赤く赤く赤いぬくもりを返して!!!!     
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