3.初めてがいっぱい

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そして早朝、 初日の出を見るために 山へ。 何台かのタクシーで ロープウェイ乗り場まで行って ロープウェイに乗って 初日の出スポットへ向かいます。 ロープウェイを降りてからは 先輩とおしゃべりしながら 少し山登り。 『寒くないん??』 『はい!大丈夫です。 お腹も背中もカイロ貼ってます♪』 『逆に暑そうやな(笑)。 前から聞きたかってんけどな、 リホは、なんでルールも知らんのに バレー部のマネージャーをしようと思ったん?』 『弥生ちゃんが マネージャーしたいから 一緒にしよって誘ってくれて いくつか見学に行ったんですよ。 なんでバレー部かは、 女バレのみなさんがめっちゃ真剣に練習してたから、と ……日焼けしたくなかったからです。』 『室内やからってこと??』 『うん。 だってサッカー部のマネさんとか 真っ黒に日焼けしてたもん。』 その理由を聞いて先輩は大爆笑でした。 『そんなに笑わんくても…。』 『ごめん。ごめん(笑)。 確かにサッカー部のマネは真っ黒やな。 リホがバレー部を選んでくれて良かった。 ありがとう。』 一気に顔が熱くなるのがわかるくらい 耳まで熱い・・・。 赤くなって黙ってしまった私を見て 先輩はまだ笑ってました。 お喋りしながら登るのは楽しいんだけど ……山道、キツイ! ちょっと 息が 切れてきた頃、 笑いながら手を差し出されました。 『体力ないなぁ。 引っ張ったろ。』 差し出された先輩の手をとると 手をつないでグイグイ引っ張ってくれました。 なんとか日の出スポットに到着し 先輩と手をつないだまま 他の部員さんたちと みんなで初日の出を待ちます。 山の上から見る日の出はすごくキレイで 日が出て登るまでがあんなに早いんだ……。 知らなかった。 じーーーんと感動しながら見ていると 何か 先輩の視線を感じる。 隣に居る吉田先輩の方を見ると ぺこりと 頭を下げて 元気に挨拶されました。 『今年もよろしくお願いします!』 『……はい!こちらこそ 今年もよろしくお願いします。』 楽しい1年になりますように。
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