5.ゆっくり進むお付き合い

2/14
432人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
短い春休みが終わって 先輩は3年生、私は2年生になりました。 朝練の後、 みんなでクラス発表を見に行きました。 『やったー! 弥生ちゃん、また同じクラスやね!』 『選択科目、全部一緒やもん。 当然やん♪』 私たちは文理コースを選択したので 男子8割、女子2割くらいのクラスでした。 教室に入ってホームルームが始まるまで 弥生ちゃんとおしゃべりしていました。 『今日部室に試験勉強しに行く?』 『あ。 今日は先輩の家に行く約束してるねん。』 『え! 家に行くん? 先輩の?』 『うん。勉強しに、ね。』 『へ~え♪何の勉強かな~?』 『もう!そんなんじゃないから!』 私は顔も耳も真っ赤だったらしく HRが始まるまでずっと 『キャプテンに襲われたらどうするん~?』 って弥生ちゃんにからかわれました。 いやいやいやいや。 数日前に初めてキスしたばかりだし ホンマに まだまだそんなんじゃないよ。 放課後、部室前で先輩と待ち合わせて ちょっと早めのランチをしてから 先輩の家に行きました。 先輩のご両親は共働きで不在。 家には誰もいませんでした。 『お邪魔しまーす。』 先輩の部屋に入るとすごくいい香り。 『どうぞ。』 『めっちゃいい匂い!』 『あぁ。 これやで。 姉貴の海外土産。』 先輩が見せてくれたのはお香でした。 ガーネッシュのNO8。 『先輩、お姉さんがいるんですか?』 『うん。 リホは?』 『妹がいます。』 『えー! リホが妹ってイメージやわ。』 『よく言われます(笑)。 妹の方がしっかりしてるし(笑)。』 そんな話をしながら勉強道具を並べて 試験勉強開始。 わからないところを教えてもらう以外は どちらも黙々と勉強していました。 『ふぅーーー。 疲れた。。。 ちょっと休憩しよっか。』 そういって先輩は部屋から出て 飲み物とお菓子を持ってきてくれました。 部活のことや新しいクラスのことを話して 気分転換。 たくさんおしゃべりして 話題が途切れたとき……。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!