5.ゆっくり進むお付き合い

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会話が途切れて訪れた 静寂の時間。 部屋に2人きりという状況が 初めてで 余計な緊張を感じるのかも。 『えっと……。 そろそろ 勉強、しますか?』 緊張を含んだ声になってしまいました。 『ぷっ(笑)。 リホはわかりやすいな。 そんなに身構えられたら 余計に触りたくなるやん。』 『さわっ・・・!りたくなるとか 言わないでください! 恥ずかしいから・・。』 『あかんわ。 ちょっとだけ。』 言いながらテーブルを挟んで対面側にいた先輩は テーブルを跨いで私の方に来ました。 隣に座ったかと思うと 肩をそっと抱いて カラダごと自分の方に向かせ 私をぎゅーっと抱きしめました。 『リホ、ちっちゃいなぁ。』 『・・・先輩が大っきいんですよ。』 『あのさ、 そろそろ“先輩” やめへん?』 『なんて呼ぶんですか??』 『名前とか?』 『・・・透センパイ??』 『うわ~。 ヤバイ。 嬉しくてニヤける。』 ホントにニヤけてるし(笑)。 『とーるセンパイ?』 先輩が照れてるのが面白くて 何度も名前を呼びました。 『はー!! もうムリ。 これ以上ひっついてたら ガマン出来んくなるから勉強しよか。』 そう言って先輩はまた机を跨いで 元の位置に戻って行きました。 夕方まで一緒に勉強して 帰る前にまたぎゅーっと抱きしめられてキス。 ゆっくり進む先輩とのお付き合い。 どんどん距離が縮まって どんどん好きな気持ちが大きくなって どんどん2人で居る時間が自然になっていく。 もっともっと先輩と一緒にいたいと 思うようになっていました。
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