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 何十年も前、叔父が中学生のときの話。  近所に住む七歳の男の子が行方不明になった。  学校から帰ってきて、「遊びに行く」と言って出て行ったきり戻って来ない。  いなくなった日、神社の境内に一人でいたのを、同じく境内で遊んでいた子どもたちが見ていたが、誰もその子が帰る姿は見ていなかった。 「あの子、夕方になっても神社にいたみたいだから、神隠しに遭ったのかも」 「神社の裏手の雑木林は暗いし、たまに不審者が出るから、もしかしたら誘拐されたんじゃないか」  人攫いか、はたまた神隠しか。そんな話で町は持ちきりだった。  男の子の両親は、すっかり意気消沈している様子だった。  男の子が消えてから、四日ほど経った日のこと。夕方、学校帰りの叔父と友人たちが、神社の前を通りかかろうとすると、鳥居のところに誰かがいるのに気が付いた。  友人の一人が「あれって、いなくなった××さんとこの子じゃないんか」と言った。  そう言われればそんな気もするなぁと、とりあえず確認しようと叔父たちはその子に近づいた。すると、男の子は神社の中へ入っていってしまった。
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