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 慌てて追いかけ、追いついたのは神社の裏手にある雑木林。  薄暗い中で、男の子は一本の杉の木の下にしゃがみこんでいた。いぶかしんだ叔父たちが恐る恐る近づくと、男の子は俯いて何やら地面を掘るような仕草をしているのだった。  叔父が「なにしてんだ?」と訊くと、男の子はそのまま、すぅ、と消えてしまった。  恐ろしくなった叔父たちは、社務所に駆け込んだ。出てきた神主に先ほど起こった不可思議な出来事を話すと、神主は顔色を変えて警察に電話をかけた。  通報を受けた警察が杉の根元を掘り返してみると、行方不明だった男の子の遺体が見つかったという。  犯人は、男の子の両親だった。  男の子はきかん気が強く、幼児の頃から育てにくい子だったらしく、特に母親は追いつめられていた。  母親は虚ろな目をして、言ったそうだ。 「本当に神隠しがあるんなら、あの子を連れていってくれればよかったのに」
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