第3章 ヨウヘイの恋

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「いいよー。じゃあね、陽平君、マモル君」  ヨウヘイの精一杯の勇気をサラリと笑顔で受け流して、夏美さんはヒラヒラ手を振り、去って行った。  仮に彼の好意に勘づいていたとしても、殊更気づかない振りをしたのは、彼女が僕らより大人だからなのだろうか。  赤い鳥居の下を潜り、白い日傘がゆっくりと町の景色の中に沈んで行った。
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