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「だけど、せっかくみんなの輪に溶け込んでもらおうと手を尽くしている訳じゃない? 夏美さん本人も、もっと頑張ってくれなくちゃ、ねぇ」
「ま、あれだな、あちらさんも越して来たばかりで落ち着かんだろうし……お前ももう少し時間をかけてみたらどうだ?」
再び、そうねぇ……と曖昧に呟く。
父さんの意見は正論だ。母さんは折れるしかなかったようだ。
「――マモル! いつまでテレビ観てるの! あんた受験生でしょ? 勉強しなくていいの?!」
あー、来たよ。
弦を一杯に引いた不満の弓のターゲットが、僕に代わる。
「はいはい、今からするよ」
射られる前に、テレビを消して、2階の部屋に退散した。
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