CONFUSED BLUE

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 次の日、俺は教室の自分の席に鞄を置いて、2つ隣の席に座っていた西川に声をかけた。 「よぉ西川、ちょっといいか?」 「オッス大成。何だよ改まって」  俺は西川を連れて廊下に出ると、壁にもたれて話を切り出した。 「お前、『クラブ棟の幽霊』見たんだよな?」 「え?あ、あぁ…見たけど…」  西川は怪訝そうな顔をしつつ俺の隣で壁に寄りかかった。 「…でもお前、俺が言ってたの信じてなかったろ?」  西川の問いかけに、俺はガシガシと頭を掻く。 「…正直な話、最初は『馬鹿らしい』と思った」  俺がそう答えると、西川は笑いながらヒデェ、と呟いた。 「…けど、お前は変な嘘をつかねぇヤツだし…半信半疑、ってカンジだったかな。でも…」  俺はそこまで言ってから少し躊躇ったが、覚悟を決めて言葉を続けた。 「…昨日の夜に俺も見たから、信じざるを得なくなったっていうか…」 「えっ、お前も見たのかよ?」  俺の言葉に驚きの声を上げた西川は、頷く俺を見てうーんと唸った。 「…そーいや昨日は月曜日だったもんなぁ…俺が見たのも月曜だったし…」 「…『月曜日』?」  俺は西川の言葉を聞いて思わず聞き返した。 「ああ。俺は3週間ぐらい前だけど…噂じゃ月曜日と金曜日に見たってヤツが多いらしいぞ」  西川の返答に、俺は眉間にシワを寄せて再びガシガシと頭を掻いた。 「…じゃぁ週に2回もあの逆さ吊りの青白~い女が出てくる、ってか…?」 「ああ、そうらしいなぁ…ってかホントに見たんだな、お前も」  俺の様子を見てニヤニヤと笑っていた西川だったが、ふと何かを思い出したのか 「…あれ?」 と声を漏らした。 「…何だよ?」  俺の問いかけに西川は大したことじゃねぇんだけど、と前置きをしてから 「…青かったっけ?と思って…」 と言葉を続けた。
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