CONFUSED BLUE

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 職員室に武道館の鍵を返した香織が階段を下りてくる。 「…スマホ、すぐに見つかって良かったな」  俺の言葉に香織はウン、と頷いた。  校舎を出て駐輪所に戻りながら空を見上げた香織は、いつもの明るさが少し萎んだ顔で、 「すっかり暗くなっちゃった…ゴメンね、大成」 と謝罪する。 「いいよ、どうせメシができるまで時間があったんだし」  俺がぶっきらぼうにそう返事をすると、香織はクスッと笑って 「…ありがと」 と呟いた。  駐輪所に着いてからも自転車には乗らず、押しながら校門へと歩く。  校舎の横を通り過ぎて校門が見え始めた頃、俺の腹の虫が鳴いた。 「腹減った…」 「私も。愛華さんのご飯すごく美味しいから、今日のも楽しみ♪」  少し前を歩く香織が、明るさを取り戻してウキウキした様子でそう言って振り返る。 「今日のご飯、何だろ?オムライスだと良いなぁ~…大成は?」 「…食い物の話してたら余計に腹減るから言わねー」  俺の返事に香織はアハハと声を上げて笑うと、再び前を向いて歩き出す。  その足取りがスキップを始めるように弾んだかと思うと、すぐにピタリと止まった。 「…どうした?香織」  俺の問いかけに、香織は振り返ることなく自分の目線の先を指さした。 「…あれ何だろ…青っぽくボヤァッと光ってるの…」 「ん?」  香織の隣に並んだ俺は、指さす方向を目で追っていく。  その先にはクラブ棟があり、入り口に鍵を閉めようとしているらしい用務員が近づいている。  そして2階の角部屋の窓に、確かにうっすらと青白い光が見える。 「何だぁ…?」  俺が目を凝らしながらクラブ棟に近づいていくと、その光の輪郭がはっきりと見えてきた。 「──!」  光の中に映る姿が解った俺は、思わず足を止めた。 「…女が…浮いてる…!?」
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