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最初、エルマーはライリーに飼われた小鳥だった。鳥かごに住んでいて、ライリーが世界のすべてだった。ライリーは、
「鳥はアウィス神の使者とも言うわ」
と話し、エルマーをかわいがった。ある日、ライリーはいなくなった。エルマーは悲しんで死んだ。
次にエルマーは、大きな黒色の犬だった。いつもライリーのそばにいて、王立学校にも一緒に行った。ある日エルマーは、ライリーを苦しめるリーディアをかみ殺した。
ラルスは怒り狂い、エルマーを剣で切り殺した。悲鳴を上げて逃げ惑うライリーも殺した。無念だった。死んでも死にきれなかった。
エルマーは再びよみがえり、初めて人間になった。楽器をたずさえて世界中を旅する吟遊詩人だった。エルマーはさまざまな国をめぐり、ライリーを見つけた。
ライリーは、婚約者の浮気に悩んでいた。エルマーは、ラルスなど捨てて世界中を旅しようとライリーを誘った。エルマーは彼女に恋していた。
「素敵ね。あなたはまるで渡り鳥。私の心を異国へ連れていった」
エルマーの歌にライリーはほほ笑んだ。けれどやはりライリーは、ラルスに殺された。エルマーは怒り、復讐のためラルスを殺そうとした。だが、王子を守る騎士たちに殺された。恋は何の役にも立たなかった。
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