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喜劇3 親以上に過保護で過干渉
授業終了後、ライリーは仲のいい友人たちと雑談してから、教室を出た。はしたないことと分かっているが、絶世の美少女リーディアのうわさ話で盛り上がった。リーディアは南の地方出身で、両親はテンス教が禁止されていたときからのテンス教徒らしい。
ライリーは、校内の図書館で読書を楽しむ。エルマーの影響で、ライリーは本を読むのが好きだった。家に帰ろうと、図書館を出て校門を目指す。
校門のそばでは、いくつもの馬車が子どもたちを待っている。うちのひとつは、ライリーの家のもの、……ではなかった。
(またエルマーの悪いくせが出た)
ライリーはため息を吐いた。ライリーの家の馬車はなく、エルマーの持つ大きな立派な馬車がある。仕立てのよい服を着たエルマーが、あたりを見回している。
エルマーはライリーの学校生活を心配して、学校まで迎えに来るのだ。最近はお迎えはなかったのに、彼の心配病は再発したらしい。エルマーはライリーに気づくと、ほっとして駆け寄ってきた。
「ライリー、君が無事でうれしいよ。今日は学校で何があった? 誰かに嫌なことをされていないか?」
エルマーはライリーの背中を押して、強引に馬車の方へ連れていく。危ない学校から安全な家に帰ろうという算段だ。
「無事に決まっているでしょう? 授業を受けて友だちとおしゃべりして図書館で本を読んで、――どこに危ない要素があるの?」
ライリーはあきれる。
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