3月 ホワイトデー

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「今度、見てきてやる」 「お菓子?」 「ん。ッ……、帰り、とか。ネットとか、ぁ……」 「助かる。俺、よく分かんねえし」  するすると服の裾から忍ばせた手のひらで肌を撫で、柔く引っ掻いて、弱い胸の周辺を少しだけ強く引っ張る。痛みと期待に体をひくつかせ、声を揺らしながら数回頷いた涼介の唇から、もどかしそうに熱いため息が溢れた。 「……、はぁ……ッん、」 「明日も早いんだっけ? どうする? やめとく?」  やめられないようにと刺激を与えて、続きを強請ればさらに強いものをと期待だけさせるように、すりすりと肌を撫でる手は止めない。  ひくっと腹を揺らした涼介が、恨めしそうな顔をぎゅうっと俺の肩口に埋めた。 「……っ、……ベッド」 「ん、了解」  期待より羞恥が上回ったらしい涼介の強い抱擁に苦笑しながらも、明るいリビングを後にする。夜の気配が漂う寝室の扉が閉まる音が、静かな部屋にぱたんと響いた。
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