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「陽性が出れば、全感染し、激しい痛みと幻覚に襲われ一週間以内に死ぬ!」
「どっちが出ても、サヨナラだよ・・・」
参ったよと、ばかりにリクが話しを止めた!
呆れた対策とは、ワクチンを大量生産して、全世界の男に四十歳で感染後、投与するのが当たり前なのだが…
原料不足など人口に対応出来ないとの事が理由らしい・・・・が
俺はこの不合理極まる、いい加減な世界をなんとかしたいと考え始めた・・・
「リングは、陽性、陰性共に付けさせられ、死へのカウントダウンが始まる…」
「陰性は陽性の首から菌を採取してワクチンとしていく」
「陽性はワクチンを首から毎日少量づつ点滴のように投与して、生き延びることが出来る…一年は…」
「カウンターは「360」カウント付きになっている」
「わかるよな…」
「毎日陰性は吸いとられ、陽性は投与され続けるためのカウンター
なんだよ…」
リクが覇気なく言った。
そして・・・
「ちなみに俺は陰性らしい・・」
「陰性らしいって、リク!お前の命の問題だぞ!」
俺はリクのネガテイブな考えに怒りを感じた!
「政府機関はそんないい加減なのか!」
俺の声が今迄以上に大きくなった!
「お前は本当に熱い奴だなあ、まるでテクのようだ!」
リクは落ち着き、微笑みを浮かべて話していた。
「リク!お前は辞めてくれ!」
「涼と呼んでくれ!」
「わかったよ!涼!」
他のみんなは、俺とリクの話しを食い入るように聴いていた。
ある時は頷き、ある時は微笑み、そして涙を見せる時もあった。
この家族と意志の疎通が取れ始めてきた感じがした。
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