第4章 シンボルへ!

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この「固形食糧」はビーフジャーキーの薄さで「ふ菓子」のような朱色的な「赤色」をしていた。 「固形食糧」はこれから政府が進める画期的な食糧らしい… テストにて配給されたとイマが話していた… 果たしてこの原料成分は?… するとまた物凄い悪臭が鼻孔に入り、テク、リク、俺は布地で口鼻を覆った。 俺も疲れを感じてきたのか…? 観えるものがわずかに翳み、ピントが合わない。 「おや…」胸の奥から嫌な感覚が湧き出てきた… それは・・・・ 身体の一部が少しづつ、微量に消滅していくイメージが、頭のどこかで描かれていた… 「固形食糧」は、絶滅前に冷凍保存しておいた、カラスの肉だ! 何故カラスなのか? レオが言うには、絶滅前に一番、繁殖率があり… カラスは雑食だけに、ウイルスを受け付けない… 予防する菌が自然と持っていたと言われていた。 しかし、適度にウイルスが進化していき耐える事なく、絶滅したのだった。 絶滅(感染死?するまで)までの期間が長かった為、政府は国をあげてカラスの捕獲をはじめ… カラス肉を冷凍保存していた… 食糧として、冷凍保存したカラス肉を分離、精選、熱処理後… 雑草から摘出したアミノ酸成分を粉末にし、新調味料と共にブレンド後、圧縮、真空調理を行い… 食糧化されると国民に話しがあったと… レオから聞いてはいるのだが… 「カ、カラスすね・・・」 俺は口にするのを躊躇していた。 空腹も限界に来てきたが… レオ、一人だけが、?かぶり付いていた。 俺とリクはどうにも、食べる気になれないようだ! 「ダメだよ!」 「しっかり食べないと! 「もたないよ!」 元気な声でレオが俺たちに発破をかけた。 「おかしな?リクおじさん、カラス肉嫌いじゃあないよね?」 「いや・・・」 リクは、曖昧な返事をし、口に水を含んだ。 俺も何となく食べる気になってきたが・・・ 普段、食としないカラス肉には、抵抗はあるが… レオがむしゃぶりつくように、食べていて、食欲が湧かない訳がない… のだが… しかし、何かが… 五感以外の何かが… その食べ物を受け付けようとしないのであった… 「レオ!食べてみたいのだが、どうも…俺の世界では食べる習慣がなくてね…」 俺もレオに中途半端な曖昧な返事をしていた。 リクと俺はどうしてもカラス肉が食べれないことから、レオが、十五ミリ角の「角砂糖」を二個づつ手渡たしてくれた。
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