50人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうすればいいんだ・・・」持ち物は、左のポケットに携帯、右のポケットにはハンカチがあり…
カバンは電車に忘れたようだ…
汗ばむ手をハンカチで拭い、家に電話を掛けてみたが…
反応が無い?
何度も何度も繰り返しかけたのだが…
発信音さえ聞こえて来ない?
携帯のアンテナは三本立っていたが…
目を凝らしてアンテナを見るとオレンジ色の三本の棒が上下、左右に伸縮している!
「な、なんなんだ・・・!」
その滑稽な動きからも此処は違った次元では無いかと感じた?
「ど、ど、どうしたんだ・・・」
焦りと怖れが心の中で…
「どうしたんだ!どうしたんだ!」を繰り返す。
俺は、この恐怖から逃れたい為に言い聞かせていた。
それは、自分を慰めるかのように、ここまでのことを検証していた。
周りを見てもわかるが、横浜から急行で菊名まできて各駅に乗り換えた、酒を飲んではいたが、酔った感覚はなかった。
それにしては時間がかかり過ぎている。
九時前に横浜から電車に乗ったことをはっきり覚えている。
そして乗り換えた電車は渋谷行きとわかっていたが・・・・
こんな場所に来るはずがない!
何回か飲み過ぎて寝過ごし、渋谷や自由が丘で気が付くことがあったからだ。
果たしてここは・・・・・
最初のコメントを投稿しよう!