第1章 ちがう世界へ

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「どうすればいいんだ・・・」持ち物は、左のポケットに携帯、右のポケットにはハンカチがあり… カバンは電車に忘れたようだ… 汗ばむ手をハンカチで拭い、家に電話を掛けてみたが… 反応が無い? 何度も何度も繰り返しかけたのだが… 発信音さえ聞こえて来ない? 携帯のアンテナは三本立っていたが… 目を凝らしてアンテナを見るとオレンジ色の三本の棒が上下、左右に伸縮している! 「な、なんなんだ・・・!」 その滑稽な動きからも此処は違った次元では無いかと感じた? 「ど、ど、どうしたんだ・・・」 焦りと怖れが心の中で… 「どうしたんだ!どうしたんだ!」を繰り返す。 俺は、この恐怖から逃れたい為に言い聞かせていた。 それは、自分を慰めるかのように、ここまでのことを検証していた。 周りを見てもわかるが、横浜から急行で菊名まできて各駅に乗り換えた、酒を飲んではいたが、酔った感覚はなかった。 それにしては時間がかかり過ぎている。 九時前に横浜から電車に乗ったことをはっきり覚えている。 そして乗り換えた電車は渋谷行きとわかっていたが・・・・ こんな場所に来るはずがない! 何回か飲み過ぎて寝過ごし、渋谷や自由が丘で気が付くことがあったからだ。 果たしてここは・・・・・
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