50人が本棚に入れています
本棚に追加
自分で自分を正当化しょうとしている。
まったく意味のないことだが、焦りからこんな言い訳的な独り言を呟いていた。
「とにかく落ちつけ、とにかく落ちつけて」と自分に言い聞かせて納得させていた。
それにしても重苦しい空気を感じる・・・
改札口の向こうは、真っ暗で何があるのか、想像もつかなかった。
ただ身体が震えている。
「何だこの感覚は・・・・」わからない、とてつもない恐怖が近づいている事を察知していた。
明るくなるまで動く気になれない、今、動けば自分を全て失ってしまうような気がしたからだ、生暖かい風が鼻孔に入り強烈な不快感を感じた。
それは、物凄い臭いであるそのため、ハンカチで鼻と口を覆った。
「なんだこのニオイは・・・」言葉を発した瞬間、呼吸を止めたくなるほどの悪臭だ。
今迄で、嗅いだ事がない強烈な何かが腐敗したような、発酵したような臭いが、僅かに開いた鼻孔から身体の中に浸透していく、胃が急激に収縮した瞬間、固定物が口にもどりむせ返るように嘔吐していた。
その臭いを追い出すかのように、吐き気が止まらず容赦なく胃と咽を締め付ける。
涙と共に嗚咽をあげ、むせ返しながらやっと呼吸をしていた。
その場に座り込み、膝を抱え丸くなり、訳のわからい恐怖に怯えていた…
薄っすらと明るくなり始めてきた、足取りは重く動き出す気に慣れ無い。
改札口を出るには、キップを渡す…
などをするのだが…
特に何する事なく出られたのだが…
訳のわからない重苦しい空気…
理解できない現実…
まだ頭も身体もこの世界?
を受け入れられないでいた。
最初のコメントを投稿しよう!