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 私は液体に満たされたカプセルのなかで、不思議な夢を見ていた。  私は古い洋館の一室の椅子に腰を掛けている。やがてティーセットの横に置いてある携帯電話が鳴る。 「やぁ、そろそろ部屋を出ろ。クルマを準備してある。」 着信をとると男の声がした。  私は、そうだ出かけなければいけない。と思いコートに手をかけて部屋を出た。ワックスの禿げた古い床から階段を降り、玄関を開けると目の前に2頭立ての馬車が待機しており、老御者が指で乗れと合図をする。  馬車に乗り込んだ私はそのまま見たことのない中世の街並みを駆け抜けてゆく、右手に運河が見えており、蒸気船が行き来していた。  馬車が軽快な足並みで広大な屋敷に入ってゆく、白亜の屋敷の車寄せに馬車が到着すると私は馬車から降りる。入り口には壮年の執事が深く頭を下げて 「お待ちしておりました。ご主人様がお待ちです。」 執事に導かれて屋敷に入った。  瀟洒な屋敷の内部を執事の先導で二階に上がり、主人部屋の前へ案内される。 「どうぞ中へ。」 執事が深く頭を下げた。  私は屋敷の主人に会うべく扉を開けた。
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