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 最初回復した意識で見たものは、カプセルの液体が排出されハッチが開いたところだった。   「おはよう。すべて順調に終わったよ。」 視界に白衣を着た男性の笑顔が飛び込んできた。 「博士……ありがとう。」 そうだこの男性は博士だ。無事に作業が終わったのだ。  私は上半身を起こし右手を見た。そして握ったり開いたりを繰り返した。やはりなじむまで時間が必要なのかもしれない。 「やはり別人みたいですね。」 私は率直な感想を述べた。 「脳意識以外は別人といっても過言ではないね。」  博士は私のための着替えを持ってきてくれた。  脳意識移植手術。脳まで作られた人造ボディに脳意識を移植する手術。前の体に重大な病が発見されたため私は新技術の人造人間化を選択した。失敗したら昏睡したまま死を待つままだったが、博士の努力によって、どうやら新しい命を得たようだ。  私はカプセルから出て着替えをする。ズボンをはき。シャツに腕を通す。やはり動きがぎこちない。 「すこしリハビリしたら、良くなるよ」 博士は私の手を取ると全身をうつす鏡の前へ導いてくれた。 「これが新しい姿だよ。これもリハビリをしていこう。」 私にとって新しい体。新しい顔。新しい姿。 新しい自由な生活が始まろうとしている。
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