僕と、綺麗な目をした彼女

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例えば 例えばもしも、こんな身体じゃなかったら。 普段は考えないようにしているけれど、でも たまに、ふと考えてしまうんだ。 家族がいて 友人がいて 大切な人がいて みんなと笑いながら食事をして 大好きな絵を描いて 幸せに暮らすんだ。 今みたいな孤独な人生はもうまっぴらだ。 友人も、家族も、話し相手もいない。 この忌々しい身体を見られないよう、ひっそりと隠れて暮らして こうやって、毎日日記を書くことしかできない。 これが現実だ。 神への祈りは等にやり尽くして それでも神様は僕を許してはくれないらしい。 呪いは消えることもなく、日々その力は強まっている。 だから、終わりにしよう。 そうして僕は今日も日記帳にペンを滑らせる。
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