2人が本棚に入れています
本棚に追加
*****
これですべて終わる。
降り注ぐ冷たい雫。
横たえた身体から流れゆく雨。
それと共に流れ出すのは私の命と、紅い液体
もっと・・・もっともっと早く・・・・流れ出せばいい
目の前に広がるのは、深くて暗くて広い暗闇。
今にも消えてしまいそうな私を、まるで呑み込んでしまいそうなほどの夜空。
この呪われた眼にも、こんなに綺麗に映る風景があるなんて・・・。
身体から血液と共に体温が流れ出ているのが分かる。
そうやって、自分の中にある苦しみまでこの身から消し去ってしまいたい。
でもきっと、この苦しみももうすぐ終わる。
この命と共に、この呪いも消え失せるのだ。
奴らに追われる人生も、人目を避ける生活も
「なんて・・・綺麗・・・」
もう身体も動かない。
容赦なく打ちつける雨の温度も、温かく感じる。
これで終わりだ。
これで・・・すべて終わり。
最初のコメントを投稿しよう!