用務員の証言『真実はここに』

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今でこそ鉄扉の『ヒンジ(※蝶番)』は片側3個が基本じゃが、昔は2個仕様だったから、扉の重さで直ぐにヘタレて軸が曲がるじゃて。 するとどうしても閉まりが悪くなってのぉ‥‥ 廃院が決まってから霊安室も備品を運び出したんじゃが、扉の開け締めが面倒ちゅうて、ワシがドアクローザーを外したんじゃ。 だから、元々にして扉がフラついておったんじゃろ。 霊安室っちゅうのは、臭いが籠もるとマズいんで、常に換気しておくんじゃて。 すると付近が負圧になるじゃろ? そこへ、地下への扉を開けて外気を取り込めば‥‥そりゃぁ、気圧の差で扉が開きますわな。 『ひとりでに動くエレベータ』って? あのなぁ‥‥そんな事を言うたら、世界中のエレベータが『心霊現象』を起こすぞ? アレは『仕様』なんじゃて。 そもそもエレベータちゅうのは、滑車でワイヤーを巻き上げる構造なんじゃ。 この時、あまりにも長時間『じっと』しておると、滑車に掛かったワイヤーが『滑車の形』、つまり半円形にクセがついてしまうのよ。 この状態のまま次の運転に入ると、『半円形』に折れ曲がったワイヤーが次の滑車に掛かる時に『外れる』危険があるんじゃて。そしたら大事故になるでの。 そのため、エレベータは停止している時間があまりにも長くなると、自動で運転をしてワイヤーの『クセ』を直すようになっておるんじゃ。 え‥‥?     
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