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※ミヤ視点
ヴィーと何としてでも会うと決めたが、いきなり会おうと言ってもきっと警戒されてしまうだろう。
彼の為の曲がどんどんたまって行く中、2曲目のコラボの打ち合わせの中で、アコギバージョンの話が出たのは、俺にとって渡りに船だった。
少し出ただけのその話しを持ち出し、ヴィーをスタジオ録音に誘った。
「よろしくお願いします。」という返事が来た日は、興奮して眠れなかった。
あの声の持ち主に会える。
容姿は見た事は無いが、あの声と、話し方から感じ取れる性格から、どんな見た目でも愛してしまえる自信があった。
いい歳した大人が、約束した日を指折り数えて待ってしまった。
そのくらいヴィーに会える事が楽しみで仕方が無かった。
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約束の日曜日、俺は駅に着くと周りを見まわした。
確か、ヴィーは大学生のはずだ。
二十歳前後の人間を探した。
すると、周りをきょろきょろしてはそわそわと立っている一人の男に目が行った。
ダッフルコートにジーパンのごくごくありふれた大学生という感じの出で立ちだが、かなり華奢な体つきをしている。
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