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顔は所謂醤油顔で、だからといって中性的という訳ではなくしっかりと男の顔つきをしている。
好みにドストライクのその彼であってくれという希望から、声をかけた。
「済みません、ヴィーさんですか?」
俺が声をかけるとその彼はこちらを見た、視線が絡んだ後
「あ、あの、はい、あの…。」
と焦ったように声を出した。
機械越しで聞く声より、透き通った声に驚く。
実際の声はより俺の好みで、もっとずっと聞いて居たくなったがとりあえず、パニック寸前の彼に「大丈夫、緊張しないで。」と声をかけた。
声は今まで以上に好みだし、見た目も何もかも俺の理想そのものだった。
何としてでも、俺のモノにしたい。
普段あまり、執着する方ではないのだが、ヴィーだけはどうしても欲しい。
とにかく、俺の事を信用させる事が先決だと思いながら口を開いた。
「ヴィー、予約は15時からだからそろそろ行こうか?」
俺が声をかけて暫くするとじわじわと赤くなるヴィーに体調でも悪くなったかと心配したが、どうやら、ヴィーと呼ばれるのが恥ずかしいらしい。
もしかしたら、ヴィーの本名が聞けるかもしれないという下心から、自分の本名を教えた。
すると、ヴィーも本名を教えてくれた。
「へえ、じゃあ、樹って呼んでもいい?」
と名前呼びの許可をなし崩し的に貰った。
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