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ミヤさんは無言のまま俺のあごを手で押さえると、そのまま顔を近づけてきた。
まさかの展開に脳みそが完全に追いついておらず、凍り付いてしまったように身体を動かすことが出来ない。
噛み付くようにキスをされ、口内に舌をねじ込まれる。
(え!?、何で、何で、何で!?)
頭の中が疑問符で一杯になる。
恥ずかしながらファーストキスもまだだった俺の衝撃がお分かりいただけるだろうか?
ヘッドホン越しに流れていた曲はとうの昔に終わっており、俺の口内を嘗め回す音が反響していて、もうどうにかなってしまいそうだ。
立っていられず、ずるずると崩れ落ちるのを追いかけるようにミヤさんがのしかかってきた。
「ん、ん~。」
あまりの状況に腕を突っ張ってミヤさんを引き離そうとするがびくともしない。
逆に押し倒された格好のまま、上あごをなめられ、ゾクリとした快感が駆け巡り、生理的な涙があふれる。
どれくらい時間がたっただろうか、唇は何となくはれぼったいし、目は涙で潤んでいる。ミヤさんは黙ったまま、俺のヘッドホンをはずした。
何でミヤさんはこんなことをしたんだろう。
今までまともに恋愛をしたこともない俺の気持ちは実はバレバレで、からかわれたんだろうか?
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