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樹が橋本さんに言う。マジ樹こんな時にも気を使って。ホント天使だよな。
「宮本がそんな表情するの初めて見たわ。」
面白いもん見れたな。笑いながら橋本さんは言った。
そりゃあ、好きな人のには別の表情するでしょう、誰だって。
言い返すのも面倒で樹に話しかけた。
「曲は主旋律の所はできてるんだ。そこまでの部分プレイヤーに落とすから覚えて。
歌詞は楽譜印刷するからそれ見て。
覚えたら歌録るから。」
ここまで進めた曲のデータをプレイヤーに落とす。楽譜データも印刷をかけ樹に渡した。
伴奏の部分がまだ作りこめて無いので、橋本さんに応接室に案内してもらってそこで練習するように伝え作業に戻った。
「ミヤさんの曲楽しみにしてます。」
橋本さんに連れられて行く直前樹はそう言ってふわりと笑った。
絶対にいい曲にしなければなと思った。
それからさらに数時間、何とか曲は形になった。これから歌を録音してそれをミキシングする。それを考えるとかなりギリギリの時間だ。
樹を呼びに行くと、一人でひたすら練習を繰り返していたようだった。
俺に気がついた樹は
「ミヤさん、これ。ほぼ俺が歌ってミヤさんコーラス中心って事ですよね?いいんですか?」
「ああ、そうだよ。きっといい曲に仕上がる。」
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