永久機関は愛を紡ぐ

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永久機関は愛を紡ぐ

私はこの春、都内の某大学に入学した。 趣味は漫画やアニメとそれからニヤニヤ動画。 所謂オタクだ。 大学を都内にしたのも同人誌即売会に気軽に行きたいからっていう酷い理由。 同じ趣味の友達も出来たし都会での生活を満喫している。 ◆ 初夏のある日、オタ友と学食でお昼ご飯を食べていた。 オタクたるもの日々の節約が物を言うという事で大体校内にある学食でお昼にしている。 学食と言ってもカフェティリアの様な内装で中々居心地が良い。 ただ、会話の内容は昨日の深夜アニメの感想なのでオシャレかどうかはあまり関係ない。 隣のテーブルには、3年生と思われる男3人が座っていた。 一人は見るからにオタクと言う感じのチェックシャツを着たガリガリでもう一人はそこそこの見た目、もう一人はなんて言ったら良いんだろう普通?良くも無ければ悪くも無い、特徴の無い感じの男だった。 ゼミでの愚痴をそこそことオタクが言い合っていて、それを普通が見守っているそんな感じだった。 「立野も行くだろ!?」 そう聞かれ、普通が答えた。 「あー、俺はパス。」 その声は普通な見た目に反して、ハスキーなのに良く通る声だった。 ん?この声どこかで聞いた事がある気がする。     
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