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※おまけ
「圭吾さん、昨日送ってくれた曲ですけど。」
夕食用の買い出しをした後、僕はミヤさんの家に遊びに来ていた。
外では手も繋げないし、まるで友人同士の様に振舞わないといけないけれど、その分圭吾さんは二人っきりの時、甘やかしてくれるから不満は無い。
少し前に、圭吾さんの会社の取引先の人に圭吾さんがゲイである事を暴露されて窮地に立たされた。
別に俺は悪い事はしていないって気持ちも勿論あるけれど、会社を辞めてフリーのサウンドクリエイターとして仕事を始めたばかりのミヤさんの足枷にだけはなりたくないと思った。
フリーになったとはいえ、ニヤニヤの投稿をやめるつもりは無いらしく昨日も僕の為の楽曲のデモを送ってきてくれた。
今度参加予定のニヤニヤ大集会で披露予定の曲だ。
今までどちらかと言うとメロウなものが多かったのだけど、今回は完全なロック調の曲だった。
正直、曲聞いた時にはびっくりした。
だけど口ずさんでみると、しっくりきて圭吾さんが僕の為だけにに作ってくれた事が分かった。
人前で歌うなんて殆どした事が無くて不安でいっぱいだけど、ミヤさんが紡いでくれたこの曲なら大丈夫。そう思えた。
「ん?気に入らなかったか?」
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