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甘いうた
圭吾さんはソファーで上に俺を乗せてくつろぐのが好きなようだ。
今日も夕食を二人で食べた後、片付けもそこそこにリビングのソファーに腰掛けると太ももを数度軽く叩いて俺もそこに来るように促された。
これがはっきり言ってとても恥ずかしい。
俺も圭吾さんもゲイなので女扱いされているって感じる事はあまり無い。
だけど、こうやって甘やかそうとする時は目尻が少しだけ下がった目もともそこからの視線も、とても甘ったるく、俺の髪の毛を梳くても優しい。
特に男で、且つゲイである自分を自覚していたため過度のスキンシップも避けてきた俺にこの甘ったるい時間は居たたまれない様なそれでいて温かな気持ちになるような、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。
圭吾さんの視線から逃れる様に俯くと、そのまま前髪に唇を落とされる。
実際髪の毛なのでそんなはず無いのだけど、くすぐったい様な気持になってそっと身をよじる。
圭吾さんを見つめる、彼の唇が自分のそれに重なる。
何時も思うけど圭吾さんはとても馴れている。
嫉妬は勿論してしまうけど、そういう事を責めるのはルール違反な気がして何も言わない。
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