311人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、きっと圭吾さんは俺の嫉妬心に気がついているのかも知れない。
悔しいので離れ際に、圭吾さんの唇をそっと舐めた。
驚いたようで、固まる圭吾さんに少しだけ優越感の様なものを感じ笑うと、次の瞬間圭吾さんの表情は肉食獣の様になった。
ヤバい、と感じた時にはもう遅くそのまま噛みつかれる様にキスをされる。
先ほどまでは比較的口の先で舐めまわしていた舌が、俺の舌の付け根まで舐め取る様に絡まる。
息が詰まった様になる。
舌を強めに吸われて、歯の裏を舐めまわされて、上あごもくまなく圭吾さんの舌が触れる。
たまらなかった。
口元から落ちる唾液もあまり気にならなかった。
ただ、気持ち良くてこの人に全てさらけ出してしまいたいそんな倒錯的な気持ちだった。
圭吾さんが、口を離すと、足りなかった酸素を一気に吸い込んでしまいゴフゴフとむせた。
そっと背中をさする圭吾さんの手も、今は先ほどのキスで敏感になってしまった皮膚を撫であげられている様でその都度ビクビクと反応してしまう。
涙目になりながら再度圭吾さんを見ると面白い物を見つけた様に笑っていた。
「なあ、口ん中気持ち良かった?」
圭吾さんにそう聞かれ、酸欠で働かない頭でコクリと頷く。
最初のコメントを投稿しよう!