君と愛を唄おう

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君と愛を唄おう

基本的に、音楽を作る事が好きだった俺は、誰かの前で音楽を演奏するという事にそれほど興味は無かった。 時々、ニヤニヤ動画の運営会社やインディーズレーベルとしてミヤのCDを製作・販売している会社の担当さん等からライブに出てみないかと誘いを受ける事はあった。 だが、これまで一回もそういったものに出演した事は無かった。 きっかけは多分、樹と二人で歌ったあのゲームのテーマソングなのだろう。 それなりに話題になったあの曲ので樹を知った沢山の人から、樹もライブに出ないかと誘いを受ける様になっていた。 当たり前だと思った。 樹の歌には力があるのだ。 徐々に人気が出て、きっと歌手としては俺よりもずっと愛される存在になるという確信めいたものが俺にはあった。 元々、樹は歌う事が好きな様だった。 生業とするかどうかの決断は出来ていない様だが、ライブに出てみたい気持ちは俺の目から見てもある様だった。 だからという訳ではないがニヤニヤ大集会のオファーが俺にもそして樹にもきた時に 「二人で出てみるか。」 俺の横でくつろぐ樹にそう言った。     
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