君と愛を唄おう

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多分、僕が自制できなくてそういう風に見られたのだろう。 グッと拳を握りしめる。 「お二人の事とても、とても素敵な関係だと思ったのに、本当にごめんなさい。」 ハラハラと涙を流しながら月形さんは言った。 月形さんが俺達の事を恋人だと思っているのかそうでないのかは分からなかったけれど、俺と圭吾さんの事を素敵な関係と言ってくれた事は嬉しかった。 「あの、私に出来る事があったら何でも言ってください。 って言っても大して出来る事は無いかもですけど……。」 「ありがとう。」 いい子だなと思った。 きっと俺がゲイで無ければ付き合いたいと思うのかも知れない。 「取り合えず、ここフリータイムなんだよね? 少し歌っていってもいい?」 ネット上の書き込みだ。 今更彼女の友人に訂正をさせても何もならないと思うし、そもそも今日来ていない彼女にお願いした場合に変な方向に邪推される方が怖かった。 出来る事はただ、ひたすら噂が消えるのを待つか、ネタだろ?って言われるのを待つしかない。 俺にやれる事はただ歌を唄う事しか無い。 家は防音では無いので夜は本気で声を出せないので丁度良かった。 「月形さんも一緒にどう?」 月形さんは顔を真っ赤にしてくしゃりと表情を歪めた後、下手っぴな笑顔を浮かべて複数回縦に頷いた。     
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