君と愛を唄おう

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月形さんと別れたその足で圭吾さんの家へと向かった。 半同棲状態であるが親になんと言って説明したら良いのか分からないので一人暮らしをしているアパートはそのままだ。 たまに家に帰っては掃除と荷物の整理はしているけど、なんだかんだで圭吾さんのうちに帰る方が多い。 貰った鍵でドアを開ける瞬間は今でも少しだけドキドキする。 圭吾さんが家で仕事をしている時でも、俺の帰宅に気が付くと部屋からでて「お帰り。」と声をかけてくれる。 それが嬉しくて、「ただいま帰りました。」と返す。 幸せだなと思う。 幸せすぎて、ただそれだけでも涙が滲みそうになる事があるのは圭吾さんには内緒だ。 今日は少し帰るのが遅くなってしまったので謝ると気にするなとばかりに頭を撫でられた。 と、すぐに圭吾さんの手が止まった。 「誰かに会って来たのか?」 「?はい。大学の後輩と少し。」 なぜ、そんな事を聞かれるのか良くわからなかったけれど答えると、圭吾さんはばつが悪そうに笑った。 「樹から香水の香りがしてたから。」 苦笑気味に圭吾さんは言った。 確かに月形は甘い香水の香りをさせていた。 匂いがうつったのか?と二の腕あたりをクンクンと嗅いでみたが良くわからなかった。     
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