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実は、二週間ほど前の週末。
大祐が新宿で勘違いの職質を受けたことをきっかけに、二人は「一緒にいる」という事を確認し合った。
だが、さすがにいきなり同棲生活に踏み切るほど青臭くもない。
そこで、一ヶ月限定でシミュレーションを実践することに話が進み、
せっかく合鍵も作ったことだしと大祐が真友子の部屋に来ることで合意。
持ってくる荷物は衣類だけでいいとなったが、ひと月間シングルベッドに
二人で寝るのは難がある。
ということで、寝室には、真友子のベッドと新たに大祐用にエアーベッドと
布団一式が並んだ。
「コートとスーツやワイシャツは、クローゼットを使って」
寝室の扉を開けながら、真友子は後ろの大祐を振り返る。
「で、それが終わったら、まずはお昼にしよう」
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