14 大人のヤセ我慢(つづき)

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「随分、買い物したのね」 手を繋いで歩きだして間もなく、真友子は尋ねてみた。 それに大祐は、淡い苦笑を返してくる。 「僕さ、料理はからっきしだから。 とにかく、3日分の食事をデパ地下で買い込んできた」 素直に内訳を白状されて、今度苦笑をしたのは真友子だった。 「もしかして大ちゃん、連休中に私が食事を作ったこと気にしてた?」 気にしたっていうかぁ……。 そして言葉を短く切った大祐は、チラッと視線を真友子に投げてから淡く息をついた。 「本当はお皿洗うのとかやりたかったんだけど、僕、皿を洗うとどうしても 割るんだよね。 割る気は当然ないんだけど、水きりの上での重ね方なんかが下手でさ。 でもそうなると、僕って本当に何も出来ないんだなって ちょっと情けなくてね」
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