3、であう

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 七日目、モールの許可が下りて、子猫はジュリエットに預かってもらえる事になった。店が開いている時は店内に、夜は店員の男性が家に連れて帰るらしい。店員は「このまま飼ってもいい」と言っていたが、すでに大量のペットがいるらしく、「崩壊するからやめて」と店長さんに止められていた。  店長さんから借りたキャリーバックに子猫を入れる。拾ってから一週間、何とかはなったが結局里親は見つからなかった。  ジュリエットに着くと店先には彼がいた。バイト先のオーナーが腕を掴んでいて、無理矢理連れてこられたようだ。  「私が連絡したの」  知らない間に佳菜子とオーナーが結託していた。  「とりあえず見てから決めよう、ね」  二人のそれは、怪しい勧誘のようだった。彼は怯えた表情をしている。店長さんが「無理強いはやめなさい」と二人を叱りつけた。  私はテディベアの事を思い出した。  「あの!」  キャリーバックを開け、子猫と一緒に入れていたテディベアを取り出した。子猫のお気に入りだが、彼に返さなくてはいけない気がしたからだ。彼が差し出したテディベアに触れる。その時だった。  子猫がキャリーバックから飛び出した。テディベア目がけてジャンプするが、子猫のジャンプ力では全然届かない。  「チャコ!」  彼が叫びながら手を伸ばす。床すれすれの所で受け止めた。  チャコとはたぶん飼っていた猫の名前なのだろう。言ってしまった本人が一番驚いている。呆然とした顔で子猫を見る。子猫も怖かったのか彼の腕にしっかりとしがみついている。  「あったかい…」  大切なものを思い出したかのように、彼は言葉を漏らした。
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