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マーチは嘆息し、言葉を続ける。
「王妃…ミラは私の従妹です。かつてミラが病床に臥せっていたことすらあの男は黙っていた。
『光帝』である私にも王妃の血族である私にもあの男はあの男は信頼を寄せていないでしょう。
それがどうにも―――煩わしい。情けない話ですが」
「……」
―――その真意は定かではないが。
「……申し訳ない。このことは「………zzz」…フラガ殿?」
「ん、ああ…失礼。最近眠れなくって…ちょっと聞き逃してました。
ところで、何か問題発言とかしました?」
「………いいえ。明日の修練もあります故、今日は早めにお休みになられるとよいかと」
俺はマーチに背中を向ける。そろそろ次の予定が差し迫っている。
「お言葉に甘えて。ああ、それと―――」
「何か?」
少し考えて、結局無難な言葉を選ぶ。
「立ち回りには気を付けて」
「…………」
「では、また明日」
扉を閉める。スペクトル校長は黙ってその姿を見送った。
扨て、これから忙しくなるぞ―――。
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