(´・ω・`)邪神が世界を救うって頭おかしくない?

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 リアクトは昨夜の親父との会話を想起する。 ―――――――――――――――――――  どうしてあの程度の実力者。それも魔盲が英雄扱いなんだと休憩中にぼやいてた時のことだ。 「いや、いいんだよあれは。お前、我が息子ながら馬鹿か」 「はぁっ!!?」  唐突な罵声に素っ頓狂な返事をしてしまう。 「あんな外部に向けたデモンストレーションで本気を出すアホに国の代表任せられるか。  手抜きに決まってんだろ。つーかそんぐらい見て分かれ」 「見るだけで分かるかーーーーーッ!!!」  全力で投げ飛ばした水入りの革袋が右腕の盾であっさりと上に弾かれ、捕獲される。 「そりゃあそうだ。一部の実力者しか見抜けないように丁寧に偽装してたからな」 「ぐぎゃっ!?」  そのまま投げ返された革袋を捉え損ねた。べしーんと顔面が水の玉に叩きつけられる。  親父は自身の珈琲入り革袋に口をつける。  その上で、俺の予測だが、と話を切り出される。 「奴は恐らく暗殺者だ。俺も噂で聞いた話だが、ヴァルザード王家には代々連なる隠密部隊があるらしい。恐らくそこのな」 「『白き英雄』がその王家に仕える暗殺者だってのか!? それがどうしてこの場面で…!?」  親父の立てた新説に驚愕する。手元に戻ってきた革袋から溢れる水に気づかないほどに。 「魔族の襲撃に関してはさしもの国王も予想外だったんだろ。  あれは十数年前の化物に対する最終兵器だ。みすみす奪われる訳にはいかなかったんだろうよ。  お前は対して覚えちゃいなかっただろうが、あれに対抗するための兵器ってだけで俺は背筋が凍るぜ」 「親父も攻撃耐えたんだろ、一発」 「馬鹿野郎、二撃だ。…まぁ、情けないことに変わりない。  ヴァルザード至高の盾たる俺がたった二撃で再起不能にされた。これ以上の恥が、あるか。  俺が、二撃で、たった二撃で負けたら、誰が、この国を守れるってんだ……畜生」 「……親父」  彼の腕を見遣る。  義手を外した左腕は不自然に短く、薄着の上から見える腹部の外形は風穴の痕で歪。  未だ自身が背中を追い続ける男の絶望的な挫折の痕跡。  絶対的な敗北の証。
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