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「あーあー、騎士様と姫様はお熱いねぇ」
「……キスはしないの?」
「「なっ…!?」」
ホイロンの茶々とニーナの何気ない一言に雰囲気をぶち壊された。
先ほどまで何をしようとしていたか思い出し顔を赤らめる。
「そっ、そういうのはだなぁ…もっと、こう自分に自信が持てるようになってからだ!!」
「衆人監視の往来でそんな破廉恥な…!? 淑女としてあるまじき行為ですわっ!!」
「……ふーん。ホイロン」
慌てて否定する二名を他所に彼女は隣に佇む少年に手を伸ばす。
「んぁ? 何―――あっぶねぇ!? お前今何しようとしやがった!!?」
肩を掴まれたホイロンが反射的に邪念を感じ取ったのか、手を払い数歩ニーナから間合いを取る。
「キス。口づけ。接吻」
「態々名称を何個も言わなくていい! なんで今!!?」
「……負けられないかなって」
「何にだよ!!?」
ぼそりとした返答に危うく衆人監視の真っ只中で唇を奪われそうになった少年が絶叫する。
未だに若々しい感性を持つ少年からすれば羞恥そのものである。
「らん君」
「待ったアウラさん。俺はやらないからな」
「らん君、ちゅー…」
ダッ!!(←逃げ出した音)
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