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物静かなこの子の雰囲気はコワい
4月7日 始業式
数ヶ月前親の都合上この町に引っ越してきた私は遂に憧れの高校デビューしようとしていた。
と、言っても本当は共学に行ってラブラブな学園生活を夢みていたものの昔からの男性恐怖症はなおることなく女子高に入学することになった。
教室に入るといい香りがした、やっぱり女の子だけだといい匂いだな~と何故か安心しながら指定された席に座る。すると右から声がかかる。
「おはよう!」
なんともフレンドリーな挨拶だったため
「え、えっと、その、お・は・よ・う」
自分でも言うのもなんだけど完全にロボットみたいな挨拶になってしまった。というか今この時代あったことのない人に対してここまで友達感覚で挨拶できるものなのか、きっとあれだ道を歩いてたりする知ってる人に挨拶しちゃう子だ(ちなみに私はそういうのをさけて生きている)
「ねぇ、名前なんて言うの?」
「え?あっ、み、三浦....ハルです。」
「へぇ~ハルちゃんか~」
出逢っていきなり「ハルちゃん」って,人生でおばあちゃんにしか言われたことないのに、この子は神か!
出逢いの神様か!(ちなみに小中とだいたい「三浦さん」としか言われたことがない)
「どうしたの?大丈夫?」
ヤバい嬉し過ぎて涙が
「はい、だ、大丈夫です」
「そっかよかった、私は堀内麻李(ほりうち まい)よろしくね!」
ま、眩しい
「よ、よろしくお願いします。堀内さん」
「麻李でいいよ、よろしくねハルちゃん!」
うわ~ダメだ~直視できな~い
まずいこのままでは失明してしまうほどの明るさだ
すると
キーンコーンカーンコーン
「あ!チャイムだ、またね!」
そう言うと前のほうの席に向かってた、なんだかさみしいような、安心したような、でも一緒にいたら友達関係は大丈夫そうな気がするし高校生活いいスタートをきれた。
そう思ってるとふと左の席を気にした、そこにいたのは髪は透き通るような艶のある黒のロングヘアーでなんだかやる気の無さそうな顔をしていた。その子を気にしているとき。
「三浦さん、三浦さん!!」
「は、はい」
自分出席の順番だった、その後も私は何故か気になってチラチラ見てしまっていた。そして彼女番がきた。
「夢宮琥珀さん」
そう呼ばれると彼女は
「はい」
消えるような声で言った。
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