6人が本棚に入れています
本棚に追加
水があると聞いて安堵した様子のライトだが、現地調達という言葉にあらゆる狩りを妄想していた。まさかいきなりサバイバルをやるとは考えもしなかっただろう。
360°どこを見ても荒地が広がるだけ。確かに一定距離を進むと水場があった。まるで計ったかのようにだ。これなら水分補給は問題ないだろう。
ライトは少し考えたがルグランに話しかけた。
「あの、あんた誰かに追われてましたよね?あれは誰です?俺は奴に連れて来られたんですか?」
「んー、正確には連れ戻されたってとこかな。」
「俺はここで生まれ育ったわけよ。そう、ここしか知らない。昔から言い伝えで別世界の存在を聞かされていたのよ。そして見つけた。」
「それでここから抜け出たと」
またルグランは考えた感じで沈黙が続く。
「ああ、ちょっと見たかったっていう好奇心だけだがな。ただ、どういうわけかあっという間に見つかってな。逃げた先にお前がいたってわけ」
それを聞いたライトは頭の後ろで手を組ながら冗談を言ってみた。
「あー、発信器とか埋め込まれてたりするかもですよ?」
驚いた様子のルグラン。
「なんだそれ?」
まさかの反応にライトは呆れた。
「いや、忘れてください。たしかにこの世界を見た感じそんな文明はないよな。」
「気になってたんだが、俺を追ってきた奴がいただろ? 服装がなんかお前ににてたよな」
最初のコメントを投稿しよう!