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コウボクの里
4日後、二人はひとつの集落にたどり着いた。ルグランは入り口に立つと案内するように言った。
「ようこそコウボクの里へ♪」
「コウボクの里?」
「まぁまぁ、とりあえず会わせたい人がいるから」
そう言いながらライトの肩を抱え歩いていくルグラン。
途中、色黒でショートカットの女が話しかけてくる。身長は170cmくらいだろう。筋肉質な体つきが服の上からもわかる。そして口調は乱暴だった。
「おうルグラン。お前最近見なかったな。どこ行ってた?」
「あぁ、ちょっとあの世に行ってたわ。」
「なんだそりゃ」
いきなり話しかけられたのが面倒なのかダルそうに応える。
「あー、紹介するわ。こいつはミキリ。んで、ライトだ。」
「よろしくです」
ミキリはライトを見た。
「ん?余所者か?いや、色がないじゃん」
「あぁ、だからババァんとこにな」
「ふーん。面白そうだ、一緒にいく」
「好きにしろ」
部屋の奥には一人の老婆がいた。老婆は前後に揺れる椅子に座っているのだが異様だった。それはそのサイズである。
老婆と椅子のサイズはぴったりなのだが周りと比べると非常に大きいのである。座っている状態でライトと目線の高さは同じだった。
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