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「いや、お前、真面目っぽいな。つか真面目だろ」
逃げる男が話すと同時に少年は質問した。
「ところでさっきまでレストランにいたと思うんですが?そして夜だったような?」
男は空を見ながら、それがどうしたという感じで応えた。
「あー、そういやそうだったが、こっちは昼間だな。まぁ、誰か知らないがお前は向こうの人間ってことは間違いないようだな」
「向こうって」
「この世界はひとつじゃないっていうことだ。お前はその別世界から来たってことになるな」
大丈夫か?いい大人がそんな妄想を普通に話してんじゃねーよ。と考えていそうな小バカにした顔で少年は見返した。
男はムッとした様子で少年に一言。
「いま、おまえ、馬鹿にしただろ。年長者を敬え」
男は身長180くらいで結構がっしりとした体つきをしている。服装は西部劇に出てくるインディアンを思わせるような格好である。とはいえ鳥の羽やペイントとかはしていない。
少年は少し面倒くさそうに質問をした。
「まぁいいですけど、とりあえず近くに電話ないですか?」
男は聞き返した。
「なんだって?」
「電話はないのですか?」
「何のことかわからんがそんなものはない」
少年は暫く茫然としていた。
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