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プロローグ
ある日、世界は日常的に変動していく。突然の天変地異なのか、それまで行き来してきた陸路は消滅し閉ざされ、新たに生まれた大地により離島は大陸に行けるようになった。地殻変動が激しく、いきなり新たな陸が生まれることも度々だった。
中でも突如ひとつの大陸が消滅した時は世の中は大騒ぎとなった。いつ自分が住んでいるところがそうなるのか分からずに心配のなか過ごしていた。
空路や航路は全て閉鎖され遠方への移動はままならなくなり、次第に陸路も閉ざされることが多くなった。
時を暫くして、この原因は突き止められた。ただ、その詳細は公表されず、ただ、今後は地殻変動はほぼないとだけ断定された。
それから事実数年間、何事もなく世界は平穏を取り戻していった。世界地図は書き直され世の中の常識が徐々に変化していき、そして気が付くと当たり前になった。
街には高層ビルが建ち並び、音と映像の世界を楽しむ人々。市街地には天変地異の痕跡すらない。
当たり前の日常。それは消えることなく残された人々の日常でしかない。
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