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鳥籠から見た景色
朝、分厚いカーテンの隙間から漏れ入る光で目を覚ます。真冬のはずなのに、室内は暖房が効いていつも暖かく、衣類一枚身に付けていない状態でも身体を壊すことはなかった。
もうここに囲われてどのくらい経っただろうか。姉の結婚式が近いのなら、二ヶ月は経っている筈だ。
俺が移動できる範囲には時間を示すものはない。外界との繋がりは、拓真がいる時に、拓真を介してでないと許されなかった。携帯電話もテレビもパソコンも、拓真が所持している鍵のついた部屋にしかない。
俺が自由に移動出来るのは、今俺がいるこの寝室と、バスルームと、トイレくらいだ。バスルームには給湯器の時計表示機能はあるが、明らかに時間の設定が狂っていてあてにならなかった。
寝室には冷蔵庫があり、電子レンジまである。必要なものは冷蔵庫に用意されている。拓真が帰宅したら拓真がキッチンで調理する。
監禁された当初はこの寝室に閉じ込められていた。足に鎖を付けられ、限られた範囲しか移動出来ず、トイレも非常用の管理トイレが置かれていたほどだった。
俺から一切の抵抗をなくさせるため、拓真は最初の一週間は会社の有給休暇を消化して、拓真自身もトイレと風呂以外は部屋から外に出ず、時間と体力の許す限り、俺を犯し続けた。
妙な薬を使われ、達しても達しても拓真を求め続けた。
時には拓真の中に入り、時には拓真を受け入れ、もうそのことしか考えられなくなるくらいセックスに溺れていた。
酷い時は、拓真を見るだけで勃起して、自分から求めていた。
一ヶ月後にはもうここから逃げ出そうという気力もなくなっていて、その俺の様子を見て拓真は俺の鎖を外し、トイレとバスルームを解放した。ただ、まだ屋外には出ていない。
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