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俺は、後輩の部屋から自宅に帰り、「話がある」と言って拓真を呼び出した。
子供の事をきっかけにして別れ話を切り出そうとしたら、身体に激痛が走った。
気を失ったらしく、意識が戻った頃には何かが振動する電子的な音を拾い、明かり一つない真っ暗な部屋の天井を見つめていた。
身体を起こそうとしたが叶わなかった。俺は全裸の状態で仰向けにベッドに拘束されているらしい。
視界が不明瞭で状況がよく解らない現状は恐怖ではあったが、明るい中で真正面から拓真を見る事よりは落ち着いていられることを思うと、幾分マシだった。
そして今に至る。
「ねえ周平。俺、思ったんだよ」
相変わらず執拗に俺の乳首を舐め回す拓真。甘美な飴玉を転がすように、飽きもせず唾液を塗り付けてくる。
「俺の中に周平が出したとき、ああ、これでやっと周平と一つになれたって思ったんだよ。
周平の熱を内臓で感じて、周平の細胞が俺の中で溶けていく感覚。凄く嬉しかった。
女みたいにそれで何かが作られるわけじゃないけどさ。俺が周平をイかせて精液を搾り取るの……周平の印を内臓に焼き付けるの。それって、所有されてるみたいじゃない?」
人形めいて整った顔が、うっとりと笑う。振動音が静かな部屋に単調に響き渡る。
「だから、これからは俺が周平の中に刻み付けてあげるね。もう、他の行為じゃ物足りなくて、感じられないように」
今からされることを察知して、俺は力の限り呻き、ベッドを揺らした。
腰の下に敷かれたクッションの意味。響き渡る振動音の在りか。
「大丈夫だよ周平。コッチじゃなきゃイケないように、俺が育ててあげるからね。何時間、何日、何ヶ月、何年でも」
暗闇の中浮かび上がる拓真の裸体は、既にいつでも俺に杭打てる状態に出来上がっていた。
宛がわれるモノ。声にならない悲鳴。
「ずっと、一つでいよう、ね」
俺の後孔から、振動する何かが勢いよく抜かれた。
end
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